前回書いた米国人のご夫婦との出会いも素晴らしいです。
今から何年か前の10月上旬、私は午前中鎌倉駅で一件打ち合わせを済ますと、恵比寿ガーデンプレイスに有る「ウェスティンホテル東京」で出版社の編集者と14時に打ち合わせの予定が有りました。
鎌倉駅のホームへ急いで上がると、上がったその場に180cm位と170cm位の長身の米国人ご夫妻が立っていました。私とご主人が目が会いました。「あなたは英語が出来ますか?」とご主人が言いました。「少しなら出来ますよ、」と簡単に答えると、この電車は東京駅に行くのかと聞かれました。
お二人の足元を見ると、大きなバッケージが3つ(日本ではあまり見ない大きさです)。心の中で(二人でこれだけの荷物を運ばれているの?????)と............
私も都内に行くのでご一緒しましょうとなり、ホームに滑り込んできた上り電車に大きな荷物を三人で運び入れ、車内に乗り込みました。
周りを見渡すと三人掛けの座席に独り座っている女性がいました。
頭を下げてお願いし座席を譲って頂きました。お二人の間に私が腰掛て話が始まりました。
私は荷物の多さを見て、新幹線の改札口まで案内しようと思い、編集者に時間変更希望のメールを入れておきました。
彼らは二日前に日本に初めて来日し、昨日鎌倉観光をして宿泊し、これから東京駅に戻り、新幹線で京都に行き二日滞在してから、関空から飛行機で上海へ飛び、「1ヶ月間中国の旅」を楽しむ途中だと言われました。
日本にはたった5日間の滞在だったのです。
彼らは日本語は話せず、私の拙い英語で東京駅までの約1時間、様々な話をしました。
暮らしている街の話やビジネスの話、そしてご夫妻の出会い.....ご主人と名刺交換をしたり、1時間はあっという間に過ぎていきました。
東京駅に着くと、横須賀線は地下3階に到着します。
再び三人で大きなバッケージをヨチヨチ歩きながら運び、長いエスカレーターを上がり、やっと新幹線口までたどり着きました。三人とも大汗でした。
さて、そこでお別れなのですが.......たった1時間の会話なのにお互いに離れがたくなっていたのです。
思わず、一緒に京都まで着いて行こうかと思ったのですが.......打ち合わせが待っています。
別れを前に三人で抱き合いました。
私達は皆泣いてしまいました。涙が頬を流れていました。
本当に別れるのが辛いのです。
私は自分の運転免許書入れに入れていた私の写真を手渡し「次に日本に来る時は、私が全てアテンドしますから、必ず日本に来て下さい。」と言いました。
すると、ご主人が大きな荷物の中から、お二人で写っている大切な写真を私の手に渡して、「来年は必ず日本に来るから宜しく頼む」と言われました。
そして、再び抱き合いお別れをして........ご夫妻は新幹線のホームへと消えていきました。
その日の夜、編集者の方と打ち合わせを終えると急いで自宅へ戻り、ご夫妻の宿泊先である京都駅前のホテルに電話を入れました。彼らは外出先からまだ帰っていませんでした。
ホテルのコンシェルジュの方が本当に良い方で特別にお願いして、「小さなチョコレートBOXと私のメッセージ」を帰宅時に渡してもらうよう手配して頂きました。(彼女とは今もお付き合いさせて頂いています。感謝です)
それから1時間後に、お二人からお礼の電話が有りました。
京都の素晴らしさの話と、必ず再び日本に来ることを約束してくれました。
それから1ヶ月後に、米国のご自宅から私のPCアドレスにメールが来ました。
中国の旅を無事に終わることが出来て幸せだが、日本で私と出会うことができて最高に幸せだと言われました。
その後、私達は約1年間かけて、メールのやり取りと国際電話で「1ヵ月間の日本ツアー」の内容を決定しました。
そして出会いの1年後に、再びご夫妻は大きな荷物と共に来日しました。
私は車で成田空港へお迎えに行き、ここから三人の『1ヵ月間日本ツアー』が始まったのです。
秋の初めの頃でした。
続きはまたいつか........