哺乳類の中でも、この世に命が生まれ.....子育てをして、育てあげるのに「人間」が一番長くかかると何かの本で
読んだことがありました。
この季節......ツバメが住宅の軒下や、駅のガード下に巣を造り、その中で5羽くらいのヒナがじっとして静かに待
っているのですが、親ツバメが空からサーッと巣に戻ると、ヒナ達はその小さなくちばしを一生懸命大きく広げて
親ツバメから餌をもらう姿を見かけます。
6月に入り、仕事の都合で婚姻前に、娘が婚約者の元へ引っ越していくことになり......
部屋に有る荷物や洋服などの荷造りを手伝ったりと忙しく過ごしていました。
さて、いざ娘が家を出て行く日になりました。
私は仕事で午前中に出掛けるため、運送業者が荷物を取りに来るのを待つ娘より先に出るため玄関に行きま
した。突然、娘が「ママ!!!」と私に抱きついてきました。
不意をつかれ驚いて「なあに、どうしたの?」と言う言葉が口からでました。
「まだ、冬服の整理や残っている荷物が有るのだから、来週も家に来るのでしょう?、なにしてるの!!!」
と、笑顔で背中をポンと叩き、「行って来ま~す、戸締り頼むね。」と玄関を出ました。
でも...........その後.........
バス停までの道は、込み上げてくる涙を抑えるのに必死でした......
今までの娘と過ごした日々や、娘の小さかった頃のことが脳裏をよぎり、目頭が熱くなるのです。
山口百恵さんの「秋桜」の歌詞が想いだされます。
何十年前に友人の結婚式に私が「秋桜」を歌うと会場中がシーンとなり、ご両親が涙されたシーンを想いだしま
した。あの時のお母様の気持ちが今は良く理解できそうです。
自宅から電車で2時間も掛からない距離に引っ越してゆくのだから、いつでも会えるし、携帯やメールで話も出来
るから....と、頭ではそう思わせていたのに、心は正直ですね......涙になっていました。
大人になり、生涯を共に出来る伴侶に出会い、これから素晴らしい人生を二人で始める娘を祝福し、笑顔で送っ
てあげないと......とばかり思っていました。
振返れば自分も何十年か前に、同じように家を出ているのですね。
巣立ちのときを向かえ改めて考えました。
時代は廻るのですね。
今夜は母に電話してあげようと思います。
感謝。